体外受精とは

妊娠に至るまで

妊娠が成立するためには様々な過程があり、それぞれがスムーズに進行しなければなりません。
体外受精とは排卵直前まで卵巣で成熟した卵子を体外へ取り出し、パートナーの精子と授精させ、ある程度まで発生させた卵子を子宮内へかえす治療方法です。

妊娠の仕組みと体外受精

  1. 卵子を作る
    卵子が成熟するためのホルモンが正常に分泌されていないと、良い卵子は作られません。体外受精では、適正な量のホルモン剤を投与して、複数個の卵子が採取できるようにします。
  2. 排卵する
    成熟した卵子は、卵胞壁の破裂と共に卵巣の外へ飛び出します。これが排卵です。正常な妊娠では1周期1個排卵します。体外受精では排卵直前まで成熟した卵子がまだ卵巣内にあるうちに卵胞に針を刺して採取します。
  3. 卵管采から卵管へ
    排卵された卵子は、卵管の端にある卵管采と呼ばれるところでキャッチされ卵管へと運ばれます。卵管采が変形していたり、卵管がほかの臓器に癒着しているとキャッチに行けないので、卵子は卵管に入ることができず、不妊症となります。
  4. 授精
    自然の状態では、授精は卵管内で起こります。体外受精では卵子と精子を一緒に培養することで授精させますが、抗核抗体などの免疫的な原因で授精困難な場合や、卵子や精子の質に問題があって授精が成立しない場合があります。
  5. 卵管から子宮へ
    卵子や精子が移動するためには、その移動を助けるための卵管の動きと、卵子がスムーズに通れるだけの卵管の広さが必要です。卵管の通過性は検査で調べることができるので、通過不良が判明した場合には体外受精の適応となります。
  6. 着床環境
    子宮内膜が十分に肥厚していないと、せっかく授精した卵子も着床することができず、素通りしてしまいます。子宮内膜の状態を整えるのもホルモンの働きです。多くの場合、体外受精では子宮内膜の状態を整えるためのホルモン剤を投与します。
  7. 妊娠の維持
    妊娠を維持するためにはホルモンも必要ですが、免疫系が妊娠に特有の状態になっていて胚を異物として認識しないことが必要です。流産を繰り返す不育症の場合は、別途治療を行います。
  8. 性交と精子の数・質
    EDや射精障害、射出精液中に精子がいなかったり、少なかったり、動きが悪かったりすると、卵管膨大部で卵子と出会える確率が少なくなるので不妊症となり、体外受精の適応となります。体外受精では自然妊娠と比べて授精に必要な精子数はずっと少なくて済みます。

適用・施行

次のような適応がある場合、体外受精・顕微授精および胚移植を希望されるご夫婦に施行しています。

  • 卵管性不妊症
      手術、感染症などの結果、両側卵管の疎通性がない方。
  • 男性不妊症
      乏精子症、精子運動率の極端に低い方。
      人工授精を複数回受けても妊娠しない方。
  • 子宮内膜症合併不妊症
  • 原因不明不妊症
      目安は通常の検査終了後、治療しても約2年不妊の方。
  • 35歳以上の不妊症
      通常の検査終了後、治療しても不妊の方。