精子凍結保存

凍結保存した精子による妊娠は1953年から報告されており、比較的古くから行われている方法です。
もともとは新鮮な精子が準備できないAID(非配偶者間人工授精)に用いられてきましたが、近年では人工授精、体外受精時に夫が来院できないとき、精子数が少ない型の精子の貯蓄、精巣悪性腫瘍などの患者さんの精子の保存などにも用いられています。また、抗がん剤(インターフェロンを含む)投与、放射線治療などにより造精機能あるいは遺伝子に影響が及ぶ危険性がある場合は、治療前に精子を保存することがあります。

精子の凍結保存の実際

採精した精子を洗浄、調整した後、凍結保護剤と混ぜて保存容器に入れ、-196℃の液体窒素中で保存します。

精子の融解の実際

凍結してある精子を液体窒素より取り出し、37℃のお湯につけて融解します。融解後に培養液で洗浄して、凍結保護剤を取り除きます。その後、人工授精や体外受精に用います。

凍結融解の成績と影響

融解後の精子の運動率は、凍結前の50~80%程度に低下するといわれています。その為、もともとの精子数、運動率が不良な場合は人工授精、体外受精ができない場合もあります。

精子の保存期間、取り扱いについて

精子の取り扱いに関しては以下の通りになります。

凍結時に婚姻関係にある場合

  1. 凍結保存期間は2年間までとする。
  2. 2年以上の保存期間延長の場合は更新手続きを要する。
  3. 凍結した精子は夫婦間でのみ使用するものとする。

凍結時に婚姻関係でない場合、又は疾患治療のため長期保存を目的とする場合

  1. 凍結保存期間は  年  月までとする。
  2. 保存期間延長の場合は更新手続きをする。

次のいずれかに該当する場合は、その時点で破棄させていただく事があります。

  1. 本人の意思として破棄の申し出があった場合。
  2. 保存期間を超え、延長の申し出がない時。
  3. 本人が死亡したとき。
  4. 転居などにより連絡が取れない場合。
  5. 妻が疾患などにより子宮を失った場合、妊娠、出産時に母体に重大な影響が予想される場合など移植ができないと判断した場合。
  6. 当院が何らかの理由で医療行為を行えなくなった場合。
  7. 天災、あるいは予測できない事態にて凍結精子の損傷、喪失した場合、当院はその責任を負いません。