1-2 PPOS法

どのような方に

新しい排卵誘発法ですがアンタゴニスト法とならんで第一選択となる方法です。特に重度の多嚢胞卵巣(PCO)で卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高い人には第一選択となります。プロゲスチン(合成プロゲステロン)はLHを抑え排卵を防ぎます。当院ではヒスロンまたはデュファストンを使用します。。

方法

前周期の月経中からピルを飲んで調整します。
月経開始2~3日目からFSHかHMGを連日注射して卵胞を育てます。一般的には注射開始日からプロゲスチンを内服します。FSHの抑制に対してクロミフェンを内服することもあります。当院ではFSHの抑制を考慮してE2(エストラジオール)値をみながら数日遅らせて内服を開始する方法も行っています。
卵胞が18mm~25mmでE2が1個当たり250pg/ml以上になったら、卵を成熟させるトリガーとしてHCG(オビドレル)を自己注射します(OHSSのリスクがある時はブセレキュア点鼻)。トリガーから34時間から36時間後に採卵します。

メリット

  • アンタゴニスト注射に比べてプロゲスチン錠は安価のため費用が抑えられる
  • 多くの卵が得られる可能性がある、それにより凍結胚が得られる可能性が高い
  • 多くの凍結胚が得られれば、複数回の移植が可能である。
  • OHSSのリスクが高いときはトリガー(卵子成熟)をブセレキュアで行えるので安全、また採卵後にアンタゴニストを使えばE2を抑制でき採卵後のOHSSを予防できる
  • セミマイルド、マイルド法に較べて排卵してしまう可能性が低い

デメリット

  • プロゲスチンを使うため高温期のホルモン状態になってしまい、新鮮胚移植ができない
  • まだデータが少なく、アンタゴニスト法に比べて歴史が浅く方法が確立されていない

この誘発にかかるおおよその料金

¥80,000~¥150,000

月経周期 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
月経                
FSH or hMG注射    
プロゲスチン    
トリガー                        
超音波・採血                

当院の体外受精の排卵誘発について