1-4 ロング法

どのような方に

アンタゴニスト法が開発されてからあまり行っていません。卵巣機能の良好な方に向いていますが、多嚢胞卵巣(PCO)で卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高い人には使えません。月経中のE2が高い人にはこの方法が適応になります。GnRHアゴニスト(ブセレキュア)の点鼻を月経開始前から長く使い排卵を抑える方法です。

方法

前周期の月経中からピルを飲んで調整します。
ピルの終了3日前からブセレキュアを8時間毎に1日3回左右の鼻腔にスプレーします点鼻は採卵が決まるまで続けます。
月経の3日目頃からFSHかHMGを連日注射して卵胞を育てます。
卵胞が18mm~25mmでE2(エストラジオール)値が1個当たり250pg/ml以上になったら、卵を成熟させるトリガーとしてHCG(オビドレル)を自己注射します。
トリガーから34時間から36時間後に採卵します。

メリット

  • 多くの卵子が得られる可能性がある、それにより凍結胚が得られる可能性が高い
  • 多くの凍結胚が得られれば、複数回の移植が可能である
  • 下垂体ホルモンを完全に抑制してから排卵誘発するため、採卵をする前に排卵してしまう可能性がとても低い

デメリット

  • 月経前からブセレキュアを使い下垂体ホルモンを完全に抑制してから排卵誘発するため、注射の量と回数が多くなり高額になりやすい、また誘発日数が長くなる
  • 卵を成熟させるトリガーとしてアゴニストが使えないため、OHSSのリスクが高い

この誘発にかかるおおよその料金

¥100,000~¥180,000

月経周期 21 22 23 24 25 26 27 28 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
月経                                  
ピル内服                                  
FSH or hMG注射                      
点鼻      
トリガー                                          
超音波・採血                                    

当院の体外受精の排卵誘発について